おゆまるで型取りをしてみたものの、
「細かい模様がきれいに写らない」
「型の表面に穴や欠けができた」
「原型を外したら型がゆがんでしまった」
ということはありませんか。
おゆまるは、お湯でやわらかくして何度も形を変えられるため、小さなパーツや片面の模様を写す簡易的な型取りに使える素材です。
きれいに型を取るには、十分やわらかい状態で使い、水分や空気を残しにくくし、原型の形に合わせて密着させることがポイントになります。
模様が浅い、穴や欠けがある、型がゆがむといった失敗は、それぞれ原因が異なる場合があります。
この記事では、完成した型の状態から原因を探し、おゆまるで型取りするときに見直したいポイントを順番に解説します。
まず確認|失敗した型の状態から原因を探そう
型取りがうまくいかなかったときは、もう一度同じやり方を繰り返す前に、完成した型の状態を確認してみましょう。
| 型の状態 | 確認したいこと |
|---|---|
| 模様が浅い・ぼやける | おゆまるが十分やわらかかったか、凹凸へ密着していたか |
| 穴や欠けがある | 空気・水分・細部への入り方に問題がなかったか |
| 型がゆがむ | まだやわらかい状態で動かしていなかったか、型が薄すぎないか |
| 原型が抜けにくい | 深い凹凸や引っ掛かりのある形ではないか |
| 型がふにゃふにゃする | 底面や周囲に十分な厚みがあるか |
「うまく写らない=押す力が足りない」と決めつけないことが大切です。
温度、水分、原型の形、密着のさせ方、取り外すタイミングなどを一つずつ確認していきます。
メーカー公式で確認できるおゆまるの基本
ヒノデワシ公式では、おゆまるは80℃以上のお湯でやわらかくなるプラスチックねんどとして案内されています。
冷えると固まり、再びお湯で温めることでやわらかくできます。また、用途の一つとして型取りも案内されています。
一方、「水分をどう取るか」「どの方向から押すか」「どの程度の厚みを残すか」といった細かな作業方法は、メーカーが一律に定めた型取り手順ではありません。
ここから紹介する内容には、型取りをしやすくするための実践上のコツも含まれます。
型取りを始める前に準備しておくもの
基本的には、次のようなものを準備しておくと作業しやすくなります。
- おゆまる
- 型を取りたい原型
- 熱いお湯を入れられる容器
- おゆまるを取り出すための箸など
- 糸くずが出にくい布や繊維が残りにくいペーパー
- 作業用のトレーやシート
80℃以上のお湯を扱うため、やけどには十分注意してください。
温める時間は、おゆまるの量や形、お湯の状態などによって変わります。
一律に「何分」と決めるのではなく、商品パッケージやメーカーの説明を優先し、全体が均一にやわらかくなっているか確認します。
原型は熱と水分に耐えられるか先に確認する
型を取りたい原型の状態も、作業前に確認しておきます。
おゆまるは80℃以上のお湯で温めて使うため、温かい状態で原型へ触れることになります。
そのため、
- 熱で変形しやすい素材
- 紙など水分を吸いやすい素材
- 未処理の木材
- 塗装や表面加工が傷みやすいもの
- 細く折れやすいパーツ
は慎重に扱います。
熱に弱い素材では変形や変色のおそれがあるため、可能であれば目立たない部分で影響を確認してから型取りしてください。
原型に水滴・ほこり・汚れなどが付いている場合も、素材に適した方法で表面を整えておきます。
模様がぼやけたら、押す力より作業前の状態を見る
細かな模様が浅くなった場合は、まず型取りしたときのおゆまるの状態を振り返ります。
おゆまるは温めたあとも徐々に冷えて硬くなります。
温めたあとに長時間こねたり、そこから原型の準備を始めたりすると、型を取るころには細かな凹凸へ沿いにくくなっていることがあります。
目安としては、箸やヘラなどで押したときに無理なく形が変わり、原型の凹凸へ沿わせられる状態で使います。
押してもほとんど形が変わらないほど硬くなっている場合は、無理に力を加えず、温め直してからやり直します。
熱い状態を直接指で確かめる必要はありません。
穴・欠けを見つけたら、空気・水分・充填を切り分ける
型の表面に小さな穴や、模様が抜けたような部分ができても、すべてを「気泡」と考える必要はありません。
主に次のような原因が考えられます。
空気の問題
原型とおゆまるの間に空気が残ると、その部分だけ原型へ触れず、模様が欠けることがあります。
水分の問題
おゆまるや原型の表面に水滴や水膜が残っていると、密着を妨げる原因になる場合があります。
細部への入り方の問題
おゆまるが冷えて硬くなっていたり、細かな凹凸へ十分沿っていなかったりすると、模様の奥まで形が写らないことがあります。
穴や欠けができた場合は、空気・水分・やわらかさを分けて確認すると原因を探しやすくなります。
水膜を残さず、冷える前に原型へ当てる
温めたおゆまるをお湯から取り出すと、表面に水滴が残ります。
糸くずが出にくい布などで、水滴を軽く押さえるように取ってから原型へ当てます。
内部まで乾燥させようとして長時間置いておく必要はありません。
時間をかけすぎるとおゆまるが冷えてしまうため、
原型を準備する → おゆまるを温める → 水滴を軽く取る → 型取りする
と続けて作業できるようにしておくとスムーズです。
細かな模様は最初の接触位置を意識する
模様のある原型へおゆまるを一度にかぶせると、形によっては途中に空気を閉じ込めることがあります。
細かな凹凸を写したい場合は、最初に写したい部分へ密着させ、そこから原型の形に沿わせるように接触範囲を広げていく方法があります。
これはメーカー公式の決められた手順ではなく、空気が残りにくくするために使われる実践的な方法の一つです。
原型の形によって適した押し方は変わるため、強く押すことだけを意識せず、隙間が残っていないか確認してください。
外した後に曲がるなら、型の周囲の支えを増やす
模様部分だけを薄く覆うように型を作ると、原型から外したあとに曲がりやすくなることがあります。
必要な厚みは原型の大きさや形によって違うため、一律に「何mm必要」とは決めません。
型を作るときは、
- 模様部分だけでなく原型の周囲まで覆う
- 底面にも厚みを残す
- 外したあと自重ですぐ形が崩れない状態を目指す
という点を確認します。
型がゆがむなら、外すタイミングを見直す
型取り後、まだおゆまるがやわらかいうちに原型を動かすと、写した模様や型全体が変形することがあります。
型崩れを防ぎたい場合は、おゆまるが十分冷えて、形を保てる状態になってから取り外します。
時間ではなく、厚みのある部分まで硬くなり、軽く触れても簡単に変形しない状態を一つの目安にします。
ただし、深い凹凸や引っ掛かりのある原型では、完全に硬くなると抜きにくくなる場合があります。
その場合は無理に引っ張らないでください。
原型が抜けにくいときは、縁から少しずつ離す
原型を取り外すときは、型全体を一気に引っ張るのではなく、まず周囲の縁から少しずつ離していきます。
原型が動かせるようになったら、引っ掛かりの少ない方向へ無理なく抜きます。
特に、
- 深いくぼみがある
- 裏側へ回り込む突起がある
- 抜く方向に引っ掛かる部分がある
- 細く壊れやすい部分がある
原型は慎重に扱います。
強く引っ張らないと外れない場合は、その原型が一体型のおゆまる型に向いていない可能性もあります。
複雑な立体物では、無理に取り外さず、再加熱や別の型取り方法を検討します。
最初の練習には片面のシンプルな原型が向いている
一般に、片側だけの模様を写す片面型は、両面型より工程が少なく、完成した型の状態も確認しやすいため、初心者が試しやすい方法です。
片面に模様があるボタンや、小さなプレート状のパーツなどから始めると、失敗したときにも原因を確認しやすくなります。
一方、立体物全体を複製する両面型では、
- 型を分ける位置
- 左右の位置合わせ
- 複製材料を入れる場所
- 合わせ目の処理
など、別の工程が必要になります。
この記事では、まず片面型できれいに模様を写すための基本に絞っています。
失敗品を捨てる前に、表面の異物を確認する
おゆまるは、再びお湯で温めることでやわらかくできます。
型がうまく取れなかった場合も、表面の状態に問題がなければ、温め直して型取りをやり直せます。
ただし、ゴミ・繊維・別の材料などが表面へ付着していると、次に型を取ったときの仕上がりへ影響する場合があります。
再利用する前に、異物や汚れが残っていないか確認してください。
おゆまるの型をレジンに使う場合は製品の注意事項を確認する
おゆまるで作った型をレジンの複製に使う制作例もあります。
ただし、レジンには種類があり、製品によって硬化方法や使用条件が異なります。
使用する場合は、レジン製品の説明書に従い、未硬化レジンを皮膚に付けない、必要な手袋を使う、換気するなど、安全上の注意を確認してください。
この記事では、レジンの扱い方ではなく、おゆまるで型をきれいに取るところまでを中心に扱っています。
おゆまる型取りでよくある疑問
お湯は何度くらいがいい?
ヒノデワシ公式では、おゆまるは80℃以上のお湯でやわらかくなると案内されています。
具体的な温め時間や扱い方は、手元の商品パッケージやメーカー説明を確認してください。
どのくらいやわらかくすればいい?
箸やヘラなどで押したときに無理なく形が変わり、原型の凹凸へ沿わせられる状態が一つの目安です。
押してもほとんど形が変わらない場合は、温め直してから型取りします。
熱いおゆまるを直接指で確かめないようにしてください。
水分は完全になくなるまで乾かす?
長時間乾燥させる必要はありません。
表面に残った水滴を軽く押さえ、水膜が残りにくい状態にしたら、冷える前に型取りします。
原型側にも水滴や汚れがないか確認してください。
型の表面に穴があるのは気泡ですか?
必ずしも、おゆまる内部の気泡とは限りません。
原型との間に残った空気、水滴や水膜、細かな凹部まで十分に沿っていなかったことなども原因として考えられます。
どのくらい冷ませば原型を外していい?
型が簡単に変形しない程度まで硬くなったことを確認します。
ただし、深い凹凸や引っ掛かりのある原型は、硬くなるほど外しにくくなる場合があります。
無理に引き抜かず、縁から少しずつ離して取り外してください。
細かい模様も型取りできますか?
細かな凹凸を写せる場合もありますが、原型の形や細かさによって仕上がりは変わります。
大型の原型や複雑な立体物、精密な複製では、おゆまるより専用の型取り材が適する場合もあります。
最初は何を型取りするといい?
深い引っ掛かりがなく、一方向へ外しやすい小さなものから始めると失敗原因を確認しやすくなります。
片面に模様があるボタンやプレート状のパーツなどが候補になります。
まとめ|完成した型から失敗原因を逆算する
おゆまるの型取りでは、強く押すことだけがコツではありません。
うまくいかない場合は、
- 型取りするときに十分やわらかかったか
- おゆまると原型に余分な水分がなかったか
- 細かな凹凸へ沿うように密着できたか
- 型の底や周囲に厚みがあったか
- 形を保てる状態になってから取り外したか
- そもそも原型が抜きやすい形だったか
という順番で確認してみてください。
模様が浅ければ「やわらかさと密着」、穴や欠けがあれば「空気・水分・細部への入り方」、型がゆがめば「厚みと取り外すタイミング」というように、完成した型の状態から原因を逆算すると改善点を見つけやすくなります。
失敗しても、表面の汚れや異物を確認しながら温め直して再挑戦できます。
まずは簡単な片面型から試し、おゆまるがやわらかい状態で原型へ密着する感覚をつかんでみてください。