結論からお伝えすると、卒業証書の筒は捨ててしまって問題ありません。筒はあくまで「証書を持ち帰るための入れ物」で、証書本体とは別物だからです。ただし、紙製かプラスチック製かでごみの分別が変わるため、自治体公式の分別ルールと、筒メーカーの公式素材情報をもとに、安心して処分するための手順を調べてみました。
【結論】卒業証書の筒は捨てて大丈夫|3行でまとめると
押し入れから出てきた卒業証書の筒、捨てていいのか迷いますよね。結論はシンプルです。
- 筒は捨ててOK:証書を持ち帰るための入れ物にすぎず、それ自体に証明書としての効力はない
- 証書本体も実務上は手放しても困りにくい:就職・転職などで必要なのは別物の「卒業証明書」(後述)。ただし記念品としての価値は本人次第です
- 分別だけ注意:筒の素材によって「雑がみ(資源)」か「可燃ごみ」かが変わる
ここから、それぞれを公式情報で確認した内容を順に説明します。
「筒」と「卒業証書本体」は別物|公式情報で違いを確認
そもそも論として、捨てたい「筒」と「中身の証書」、さらに混同されやすい「卒業証明書」は、それぞれ別物です。整理しておきましょう。
| 名称 | 役割 | 再発行 |
|---|---|---|
| 卒業証書の筒 | 証書を丸めて持ち帰るための容器 | (任意) |
| 卒業証書 | 卒業式で授与される記念の証書(原本) | 原則不可 |
| 卒業証明書 | 学校が公的に「卒業した事実」を証明する書類 | 申請すれば発行可能 |
文部科学省の高等学校卒業程度認定試験「証明書交付願」のページや、大阪大学の「卒業生・修了生の証明書類発行」ページ(2026年5月確認)を見ると、各学校・機関では証明書の発行を申請ベースで受け付けていることが明記されています。つまり、筒も証書本体も「実用上の証明力」を持つわけではなく、公的に学歴を示す場面では卒業証明書を別途取得する流れが基本です。
筒はそのなかでも「単なる持ち運び用の入れ物」というのが実態です。証書本体さえ無事なら、筒だけ処分しても困ることはほぼありません。
筒の捨て方|紙製とプラ製で分別が変わる
ここからが本記事の本題です。筒を捨てる際は、まず素材を見極める必要があります。
卒業証書の筒は主に2タイプ
学校用の卒業証書筒を製造している国内メーカー(アーテック社・クラウン社)の公式商品情報をモノタロウなどの通販サイト経由で確認したところ、卒業証書用の丸筒は大きく次の2種類に分けられます。
- 紙製(クラフト紙にワニ皮模様などの紙クロース張り):多くの学校で使われる定番。古紙配合率の高いエコ素材が使われている例も多い
- プラスチック製(黒色のPP製などが多い):近年の安価モデルでよく見かけるタイプ
蓋(キャップ)を外して、本体の断面を軽く爪で押してみてください。爪あとが残るような柔らかさで、軽ければ紙製。硬くてツルッとしていれば樹脂製と見分けられます。
自治体ごとのごみ分別ルール(公式)
代表的な自治体の公式ごみ分別ページで、紙製・プラ製それぞれの一般的な扱いを確認しました(いずれも2026年5月時点)。
紙製の筒の場合
- 宇都宮市公式サイト「その他の紙の分け方・出し方」によると、お菓子の箱・トイレットペーパーの芯・ラップの芯などの紙類は「その他の紙」として資源回収の対象です(ただし表面に特殊な加工がある紙は焼却ごみ)。
- 札幌市公式サイトの「雑がみ」の説明では、新聞・雑誌・段ボール・紙パック以外の紙類が雑がみに該当し、透明袋に入れて出すこととされています。
- 八王子市公式サイト「可燃ごみの出し方」でも、トイレットペーパーの芯・封筒は雑紙として出すよう案内されています。
宇都宮市や札幌市のように、箱や芯といった紙類を資源として回収する自治体は多く、紙製の筒も同様の扱いになるケースが少なくありません。ただし、表面のクロス加工や紙クロース張りの部分があると「特殊加工紙」として可燃ごみ扱いになる自治体もあるため、判断に迷う場合はお住まいの自治体ページで確認するのが確実です。
プラスチック製の筒の場合
プラ製は容器包装ではなく、例えば大阪市公式サイト「プラスチック資源の分け方」のように、100%プラスチック素材でできている製品を「製品プラスチック」として資源回収の対象としている自治体があります(2026年時点)。荒川区公式サイトでも、令和7年4月以降プラスチック類は分別収集の対象に切り替わっています。
一方で、容器包装ではないプラスチック製品を「燃えるごみ」として扱う自治体もあります。プラ製品の分別は地域差が特に大きい部分なので、お住まいの自治体公式サイトで「プラスチック」「製品プラスチック」のページを必ず確認してください。
金属キャップ・装飾がある場合
蓋(キャップ)に金属が使われている筒もあります。多くの自治体では「材質ごとに分けて、金属部分は燃えないごみ・小さな金属ごみへ」と案内されています(水戸市公式サイトでも、紙ファイルのプラスチック部分や金具は分けて出すよう明記されています)。
外せる金属パーツは外してから本体を分別するのが基本ルール、と覚えておけば大丈夫です。
「証書本体も捨てたい」場合は大丈夫?再発行できる?
筒を片付けたあと、「ついでに証書本体もどうしようか…」と考える方は多いはず。先回りして調べてみました。
卒業証書本体は原則「再発行不可」
複数の学校公式サイトおよび進路情報サイト(スタディサプリ進路、マイナビ転職エージェント等、2026年確認)で共通して案内されているとおり、卒業証書は原本1枚のみ。原則として再発行はできません。大学のFAQでも「学位記(卒業証書)は個人情報であり、再発行できません」と明記している例があります(駒澤大学公式FAQほか)。
ただし、ここが重要なポイントです。
実務的な学歴証明には「卒業証明書」で対応できる
就職・転職・資格試験・結婚相談所の入会など、学歴を証明する必要がある場面で求められるのは、**卒業証書ではなく「卒業証明書」**であることがほとんどです。卒業証明書は、卒業した学校に申請すれば発行してもらえる書類で、郵送申請の場合は数日〜1週間ほどで届くケースが多い印象です。実際の発行日数は学校によって異なるため、必要な際は出身校の公式サイトで確認してください(神戸大学等の証明書発行案内、2026年5月確認)。
学校が統廃合された場合でも、業務を継承した学校・教育委員会・文部科学省関連機関に申請可能な仕組みが整っています(文部科学省関連情報、Wikipedia「卒業証明書」項目で複数の参照情報あり)。
つまり、「捨てたら学歴が証明できなくなる」という心配は基本的に不要です。実務的な学歴証明は卒業証明書で代替できるため、「証書本体がないと手続きできない」という場面はほとんどありません。ただし、記念品としての価値はご本人次第なので、捨てるかどうかは思い出とのバランスで判断するのがおすすめです。
それでも捨てる前にやっておきたいこと
- 写真を撮ってデータで残す:スマホで撮影してクラウドに保存。記念としては十分です
- コンビニのマルチコピー機でスキャン:PDF・JPEGで残せる
- 個人情報配慮:氏名・学校名が記載されているため、捨てる際は細かくちぎるかシュレッダー処理がおすすめ
筒を捨てた後の証書の保管アイデア
「筒だけ捨てて、証書本体はやっぱり取っておきたい」という方も多いはず。筒を処分すると収納が一気に楽になります。
- A3対応のクリアファイルや賞状ファイルにまとめる:文房具メーカーのセキセイ社・キングジム社などから、賞状サイズ対応のホルダーが販売されています
- 複数枚をまとめて1本のファイルに収納:小・中・高・大とバラバラだった証書を一括管理できる
- デジタル化してクラウド保存:現物保管そのものから卒業する選択肢
筒の中に丸めて入れたままだと、湿気で証書が反ったり、出し入れのときに端が傷んだりすることがあります。筒を捨てるタイミングは、証書本体の保管を見直すいい機会でもあります。
調べていて気づいた、筒メーカーのちょっとしたこだわり
今回、卒業証書の筒を扱っているアーテック社とクラウン社の公式商品情報を見比べていて、ひとつ面白い発見がありました。
紙製の筒には、古紙配合率80%・エコマーク認定品が複数ラインナップされていたのです(各社商品仕様情報、2026年5月確認)。「いずれ捨てられる前提なら、最初から再生原料で作ろう」という発想なのかもしれません。
また、プラ製は紙製よりも価格が約半分(税込210円前後 vs 400円前後)ということも判明。「コストか格式か」で学校側の選択肢が分かれているようです。
筒は無造作に押し入れに置かれがちですが、こうしてメーカー側の事情を覗いてみると、ただの容器ではなくそれなりに思想がある工業製品なんだなと、調査者として少し見方が変わりました。
ちなみに、卒業証書印刷を扱う「卒業証書コンシェル」公式コラム(2025年2月公開)によれば、同社の取扱比率において、ここ10年で卒業証書入れは『筒』から『ファイル』へほぼ完全にシフトしており、2021年度には同社取扱の99%がファイルになったとのこと。あくまで一企業の販売実績ではありますが、現場感覚としては**「捨てるか迷う筒」自体が今後は徐々に少なくなっていく**のかもしれません。
まとめ|卒業証書の筒を捨てる前に押さえる3つのポイント
最後に、本記事の要点をまとめます。
- 筒は捨てて問題なし:証書を持ち帰るための容器なので、それ自体に証明書としての効力はない
- 分別は素材で判断:紙製は「雑がみ/可燃ごみ」、プラ製は自治体ごとに「製品プラスチック」または「燃えるごみ」。お住まいの自治体公式サイトで必ず確認を
- 証書本体は実務上は手放しても困りにくい:学歴証明には卒業証明書を学校に申請すればOK。原本1枚は再発行不可だが、写真やスキャンで思い出は残せる。手放す/残すは思い出とのバランスで判断を
押し入れの中で何年もかさばっている筒、想像以上にあっさり手放して大丈夫なものでした。整理が一段落したら、筒を捨てた分の収納スペースで何を片付けるか、次の小さな整理を考えてみてください。
※本記事の情報は2026年5月時点で文部科学省・各自治体公式サイト・学校公式サイト・筒メーカー公式商品情報に基づき確認したものです。ごみ分別ルールはお住まいの自治体によって異なり、変更される可能性もあるため、最新情報は必ず各自治体公式サイトでご確認ください。