「『黒執事』のアニメ2期って、なんか話が繋がってなくない?」
「金髪の新しい坊ちゃん(アロイス)が出てきて、よくわからなかった…」
「結局、最終回でシエルが悪魔になったって本当なの?」
アニメ『黒執事』シリーズを追いかけていると、必ずと言っていいほどぶつかるのが、この第2期『黒執事II』の壁ではないでしょうか。

私自身、リアルタイムで第1話を観たときの衝撃は今でも忘れられません。「え、シエルとセバスチャンは!?この子はいったい誰!?」とテレビの前で大混乱したものです。原作とは全く異なるオリジナルストーリー、そして賛否両論を巻き起こした衝撃の結末――。
この記事では、そんな謎多きアニメ『黒執事II』のあらすじを、私の実体験や考察も交えながら、どこよりも分かりやすく徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、以下のことが全てわかります。
多くのファンを困惑させ、そして魅了したもう一つの“黒執事”。その物語の真実に、あなたをご案内します。
アニメ『黒執事』2期の基本情報とあらすじ
まず結論から言うと、『黒執事II』はシエルとセバスチャン、そしてもう一組の新たな主従が対峙する完全アニメオリジナルストーリーです。 この基本情報を押さえるだけで、物語の理解度が格段に上がります。
2組の主従が対峙する『黒執事』2期の全体あらすじ
物語の舞台は、19世紀末の英国。ファントムハイヴ家の当主シエルと執事セバスチャンの物語と並行し、もう一人の若き伯爵アロイス・トランシーと、彼に仕える執事クロード・フォースタスの物語が描かれます。
ファントムハイヴ家 | トランシー家 | |
主人 | シエル・ファントムハイヴ | アロイス・トランシー |
執事 | セバスチャン・ミカエリス | クロード・フォースタス |
異名 | 女王の番犬 | 女王の蜘蛛 |
キャッチコピーは「黒執事VS黒執事」。
復讐のために魂を悪魔に捧げたシエルと、歪んだ愛を求めるアロイス。二人の少年と、彼らの魂を狙う二人の悪魔執事。この二組が出会うことで、互いの魂を奪い合う、壮絶で悲しい物語が展開されていくのです。
登場人物紹介:アロイス・トランシーとクロード・フォースタスとは?
『黒執事II』を語る上で欠かせないのが、このトランシー家の二人です。彼らはまさに、シエルとセバスチャンの“鏡”のような存在と言えるでしょう。
- アロイス・トランシー (CV: 水樹奈々)
金髪碧眼の美しい少年貴族。しかしその内面は、底抜けの明るさと残虐な性格が同居した、非常に不安定なものです。 執事のクロードに異常なまでに執着し、愛を求めますが、その言動の裏には想像を絶する悲劇的な過去が隠されています。 - クロード・フォースタス (CV: 櫻井孝宏)
アロイスに仕える、眼鏡をかけた冷静沈着な執事。 セバスチャン同様、主の命令を完璧にこなす悪魔ですが、その本質はより貪欲。物語の途中でシエルの魂に魅了され、アロイスを裏切ってでもシエルの魂を手に入れようと画策します。 このクロードの心変わりが、物語を悲劇的な結末へと導く引き金となるのです。
【ネタバレあり】アニメ『黒執事』2期の各話あらすじを完全網羅
それでは、ここから『黒執事II』全12話のあらすじを、ネタバレありで一挙にご紹介します。物語がどのように始まり、どう終結するのか、その流れを掴んでください。
話数 | サブタイトル | あらすじ |
---|---|---|
第1話 | クロ執事 | 新たな主従アロイスとクロードが登場。彼らの元に謎の旅人が訪れるが、その正体はシエルの魂を奪ったはずのセバスチャンだった。 |
第2話 | 単(そろ)執事 | 平穏な日常に戻ったシエルとセバスチャン。しかし、シエルは自身の復讐に関する記憶の一部を失っていることが示唆される。 |
第3話 | 女郎(めろ)執事 | ロンドンで起こる怪事件を調査するシエルたち。その背後にはトランシー家の影がちらついていた。 |
第4話 | テロ執事 | トランシー家の罠にかかり、爆弾が仕掛けられた列車に閉じ込められるシエルとセバスチャン。 |
第5話 | 狼煙(のろ)執事 | トランシー家主催の舞踏会に潜入したシエル。アロイスとクロードの挑発を受け、二組の主従の因縁が本格化する。 |
第6話 | 夜露(よろ)執事 | ついに直接対決するセバスチャンとクロード。悪魔同士の戦いが繰り広げられる。 |
第7話 | 殺(ころ)執事 | アロイスとの決着をつけるため、二人の当主による剣での決闘が始まる。 |
第8話 | 吐露(とろ)執事 | 自分の魂に興味を失ったクロードに絶望したアロイスは、自身の悲惨な過去を回想する。彼がなぜ歪んだ愛を求めるのかが明らかになる。 |
第9話 | 虚(うろ)執事 | クロードの策略により、シエルは失われた記憶――復讐を遂げたはずの記憶を思い出し始める。 |
第10話 | 零(ぜろ)執事 | アロイスの魂が指輪に宿っていることを突き止めたセバスチャンは、シエルの記憶喪失の真相に迫っていく。 |
第11話 | 岐路(きろ)執事 | アロイスの魂がシエルの体を乗っ取り、精神世界に迷宮を作り出す。シエルの魂を賭け、セバスチャンとクロードが迷宮に挑む。 |
第12話 | 黒(くろ)執事 | メイドのハンナと新たな契約を結んだアロイス。その契約により、悪魔の聖域でセバスチャンとクロードの最後の決闘が始まる。 |
アニメ『黒執事』2期の衝撃的な最終回!シエル悪魔化の結末を徹底解説
『黒執事II』が「トラウマ回」「鬱展開」と言われる最大の理由が、この予測不能な最終回です。結論から言うと、シエルは悪魔になり、セバスチャンは永遠にシエルの魂を食べられないまま執事でい続けるという結末を迎えます。
一体なぜ、こんなことになってしまったのか?その複雑な結末を3つのポイントで解き明かします。
ハンナとの契約とアロイスの願い
全ての元凶、そして全ての鍵を握っていたのは、トランシー家のメイドハンナ・アナフェローズでした。
シエルの体を乗っ取ったアロイスは、クロードに裏切られ行き場をなくした末、ハンナと新たな契約を結びます。 その願いは「誰にもシエルの魂を渡さないこと」。
実はハンナも悪魔であり、アロイスの最愛の弟ルカの魂を喰らった張本人でした。 アロイスは、弟の魂を宿すハンナと契約することで、セバスチャンとクロードの両者からシエルの魂を永遠に遠ざけるという、究極の復讐を仕掛けたのです。
セバスチャンvsクロード 悪魔同士の決闘の行方
アロイスとハンナの契約には、セバスチャンかクロード、どちらかが死ぬという条件が含まれていました。
悪魔の聖域「死の島」で、シエルの魂を賭けた二人の執事の最後の戦いが始まります。 激闘の末、勝利したのはセバスチャン。 彼はクロードにとどめを刺し、ついにシエルの魂を手に入れられる…はずでした。
しかし、クロードが死んだその瞬間、アロイスとハンナの契約が完全に成就。セバスチャンは、最大の目的であったご馳走(シエルの魂)を永遠に失うことになったのです。
なぜシエルは悪魔に?セバスチャンとの永遠の契約
アロイスの願いが成就した結果、シエルは人間としての生を終え、悪魔として生まれ変わりました。
悪魔には「他の悪魔の魂を喰らってはいけない」というルールがあります。 これにより、セバスチャンがシエルの復讐の対価として魂を喰らう、という大前提の契約が達成不可能になってしまったのです。
「命令だ。……永遠に、僕の執事でいろ」
悪魔として目覚めたシエルがセバスチャンに下した、最後の命令。
これにより、セバスチャンは目的を失ったまま、永遠にシエルに仕え続けなければならないという、皮肉で残酷な運命に縛り付けられました。 まさに、ご馳走を目の前に「おあずけ」され続ける、悪魔にとって最大の地獄。この絶望的なラストシーンで、物語は幕を閉じるのです。
なぜアニメオリジナル?『黒執事』2期と原作漫画の違い
「そもそも、どうしてこんなアニメオリジナルストーリーが作られたの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
その最大の理由は、アニメ制作当時、原作漫画のストックが不足していたからです。

アニメ第1期は、原作の連載開始から比較的早い段階で制作されました。そのため、2期を制作するにあたって、アニメ化できる原作エピソードがまだ十分に溜まっていなかったのです。 そこで制作陣は、原作の続きを待つのではなく、全く新しい物語を創造する道を選びました。
そのため、『黒執事II』は、後に制作された原作準拠シリーズ(『Book of Circus』以降)とは一切話が繋がりません。
『黒執事II』は、アニメ第1期のオリジナル展開から派生した、一種の「ifストーリー」あるいは「パラレルワールド」と捉えるのが正解です。
賛否両論?アニメ『黒執事』2期の評価と口コミを分析
そのあまりにも大胆な展開から、『黒執事II』は放送当時からファンの間で激しい賛否両論を巻き起こしました。ここでは、ポジティブ・ネガティブ両面の意見を見ていきましょう。
ポジティブな評価:「映像美」「音楽」「独自性」
肯定的な意見で多いのは、作品クオリティの高さを評価する声です。
- 映像美: ゴシックで耽美な世界観は健在。芸術的ともいえる作画は高く評価されています。
- 音楽: ヴィジュアル系バンド「the GazettE」が担当したOPテーマ『SHIVER』は、作品の世界観と完璧にマッチし、今なお名曲として語り継がれています。
- 独自性: 「原作とは違うからこそ、予測不能で面白かった」「アロイスの悲劇的なキャラクターに泣けた」など、この物語ならではの魅力を評価する声も根強くあります。
私自身、最初は戸惑いましたが、今見返すと「愛に飢えた少年アロイスの悲劇」として、非常によくできた物語だと感じます。水樹奈々さんの魂の叫びのような演技は必見です。
ネガティブな評価:「原作との乖離」「キャラクターへの違和感」
一方で、否定的な意見のほとんどは、やはり原作との大きな違いに起因しています。
- 原作との乖離: 「これは私の知ってる黒執事じゃない」「シエルとセバスチャンの出番が少なすぎる」といった、原作ファンからの不満の声が最も多く見られました。
- キャラクターへの違和感: 新キャラであるアロイスのヒステリックで残虐な性格が「どうしても好きになれなかった」という意見も。
- 難解な結末: 「結局どういうこと?」「後味が悪すぎる」と、衝撃的なラストについていけなかったという感想も少なくありません。
評価ポイント | ポジティブな意見 | ネガティブな意見 |
---|---|---|
ストーリー展開 | 予測不能なオリジナル展開が新鮮。ifストーリーとして楽しめる。 | 原作の世界観から乖離しており違和感が強い。結末が難解で後味が悪い。 |
キャラクター | アロイスの悲劇的な背景に共感できる。声優の演技が素晴らしい。 | アロイスの性格が受け付けない。シエルとセバスチャンの出番が少ない。 |
映像・音楽 | 耽美で美しいビジュアルが高評価。OP/ED曲が作品に合っている。 | 一部の演出が過剰に感じる。 |
このように、『黒執事II』は原作を絶対視するか、アニメ独自の作品として割り切れるかで、評価が180度変わる作品と言えるでしょう。
アニメ『黒執事』シリーズを見る順番は?2期の位置づけを解説
「これから黒執事を見たいけど、2期はどう扱えばいいの?」という方のために、おすすめの視聴順を2パターンご紹介します。
① アニメ放送順にすべて楽しむ場合
アニメ化された作品をすべて楽しみたい、オリジナル展開も見てみたいという方は、放送順で見るのがおすすめです。
- 黒執事 (第1期)
- 黒執事II (第2期) ← 今回の記事
- 黒執事 Book of Circus
- OVA 黒執事 Book of Murder
- 劇場版 黒執事 Book of the Atlantic
- 黒執事 -寄宿学校編-
- 黒執事 -緑の魔女編- (予定)
この順番なら、アニメシリーズの歴史を追いながら、『黒執事II』を「もう一つの結末」として楽しむことができます。
② 原作ストーリーを忠実に追う場合
「原作の物語をアニメで追いたい」「オリジナルはちょっと…」という方は、『黒執事II』を完全にスキップしてください。
この順番なら、原作漫画のストーリーに沿って物語を追うことができます。 『黒執事』の正史を楽しみたい方はこちらが最適です。
ネット上のよくあるQ&A・FAQ
まとめ:『黒執事』2期は独自の魅力を持つ挑戦的な“ifストーリー”
この記事では、アニメ『黒執事II』のあらすじから衝撃の結末、そして賛否両論の評価までを徹底的に解説してきました。
放送当時、多くのファンを混乱の渦に巻き込んだ『黒執事II』。
導入で語った「よくわからない」「話が繋がらない」という悩みも、この記事を読んでいただいた今なら、その理由がスッキリとご理解いただけたのではないでしょうか。
セバスチャンが永遠の苦しみを背負う結末は、ある意味でシエルが初めてセバスチャンを完全に支配した瞬間とも言えます。そう考えると、この結末もまた、一つの『黒執事』らしい歪んだ愛の形なのかもしれません。

この記事が、あなたの『黒執事』の世界をさらに深く、広く楽しむための一助となれば幸いです。