「カサカサッ…!」
部屋の隅で黒い影を見つけてしまった時、多くの人の頭をよぎるのが「ゴキブリが1匹いたら100匹はいる」という、あの恐ろしい噂ではないでしょうか。
この説、実は1匹が500匹に増える可能性すら秘めているとしたら…?
この記事では、虫ケア用品の最大手であるアース製薬株式会社の情報をもとに、「100匹説」の恐ろしい真相と、万が一家でゴキブリを見つけてしまった時に今すぐできる対策を3つに厳選して、わかりやすく解説します。
なぜ「1匹いたら100匹」と言われるのか?その理由は驚異の繁殖力
では、なぜ「1匹いたら100匹」などという説が広まったのでしょうか。その答えは、日本の家庭でよく見かける「クロゴキブリ」の生態にありました。
1匹のメスが一生で産む卵の数は?クロゴキブリの生態
アース製薬の担当者によると、クロゴキブリのメスは「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる、硬いカプセルのようなものに卵を産み付けます。
驚くべきはその中身と回数です。
- 1つの卵鞘に含まれる卵の数: 約22~26個
- メスが一生のうちに産む回数: 15~20回
1匹のメスがたった1度産卵するだけで、20匹以上のゴキブリが生まれる可能性があるのです。
単純計算で500匹に?通説が生まれた背景
少し怖いですが、単純に計算してみましょう。 もし1匹のメスが、25個の卵が入った卵鞘を一生で20回産んだとしたら…25個×20回=500匹
もちろん、これはあくまで最大値の単純計算です。しかし、1匹のメスからこれほど多くのゴキブリが増える可能性があるという事実が、「ゴキブリが1匹いたら、見えない場所にはもっとたくさんいるぞ」という警告となり、「100匹いる」という説が広まったと考えられます。
【対策3選】ゴキブリを1匹見つけたら!今すぐ家庭でできること
「じゃあ、うちにも隠れているかも…」と不安になった方のために、今すぐご家庭で確認・実践できる対策を3つご紹介します。
対策①:恐怖の根源「卵鞘」を発見・処分する
キッチンの引き出しの奥や、シンクの下、食器棚の隅などで、約1cmほどの黒褐色で硬い殻のようなものを見つけたら、それはゴキブリの卵鞘かもしれません。
【卵鞘を見つけた時の対処法】 薬剤をかけても硬い殻に守られて効果がない場合があります。
- ゴム手袋などを装着し、ティッシュなどで掴み取る。
- ビニール袋に入れ、口を固く縛る(念のため袋を二重にすると安心)。
- そのまま燃えるゴミとして捨てる。
- 卵鞘があった場所をアルコールなどで拭き、消毒する。
潰すのが最も確実ですが、抵抗がある場合は上記の方法で処分しましょう。
対策②:巣の目印「ローチサイン」を掃除・消毒する
壁や家具の隙間、冷蔵庫の裏などに、インクを飛ばしたような茶色い細かいシミが点々と付いていたら、それはゴキブリのフンが付着した「ローチサイン」の可能性があります。
- ローチサイン: ゴキブリのフンによる汚れ。フェロモンが含まれ、他のゴキブリを呼び寄せる。
- フン: 直径1~3mm程度の、黒や茶色のコロコロとした粒状のもの。
これらはゴキブリの通り道や巣になっている証拠です。見つけたらすぐに拭き取り、アルコール消毒をしておきましょう。
対策③:遭遇時に慌てない!専門家直伝の退治術をマスターする
いざゴキブリに遭遇した時、慌ててスプレーを噴射したら逃げられた…という経験はありませんか?
ゴキブリは尾にある「尾毛(びもう)」で空気の流れを察知し、瞬時に逃げ出します。しかし、ゴキブリは前にしか進めないという習性があります。
そのため、退治する際は回り込んで頭の前方からスプレーを狙うのが最も効果的です。
もし逃げ込まれた場合は、その隙間に待ち伏せ効果のあるスプレーをかけておきましょう。後から出てきたゴキブリを駆除できる可能性があります。
【まとめ】「ゴキブリ100匹説」は比喩でも油断大敵!早期発見と対策が重要
今回は、「ゴキブリが1匹いたら100匹いる」という説の真相と、今すぐできる3つの対策について解説しました。
- 「100匹説」の真相: 1匹のメスが最大500個の卵を産むほどの繁殖力が背景にある。
- 対策①: 繁殖の元となる「卵鞘」を見つけて処分する。
- 対策②: 仲間を呼ぶ「ローチサイン(フン)」を掃除・消毒する。
- 対策③: 遭遇時は「頭を狙う」退治術を実践する。
1匹見かけたということは、あなたの家がゴキブリにとって住みやすい環境である証拠かもしれません。 本格的なシーズンが来る前に、ぜひ今回ご紹介した3つの対策を実践してみてください。