『鬼滅の刃』で我妻善逸が使う「雷の呼吸」には、基本の型が6つあります。
しかし、善逸は壱ノ型しか使えなかったため、それを極限まで昇華させた独自の派生技を編み出しました。
その集大成が、善逸自身が生み出した漆ノ型「火雷神(ほのいかづちのかみ)」であり、これが雷の呼吸における最強の技と言えます。
この記事では、雷の呼吸の全技一覧から、善逸、兄弟子の獪岳、師匠の慈悟郎といった使い手たちの関係性まで、物語の感動的な背景と共に詳しく解説していきます。
雷の呼吸とは?基本の型一覧と全使い手を解説
社会現象にもなった人気作『鬼滅の刃』。その中でも特に人気の高いキャラクター、我妻善逸(あがつま ぜんいつ)が使用するのが「雷の呼吸」です。
ここでは、その基本情報から技の一覧、そして使い手たちについて詳しく見ていきましょう。
『鬼滅の刃』における雷の呼吸の立ち位置
鬼を狩る鬼殺隊士が習得する「全集中の呼吸」。
その中でも「雷の呼吸」は、「炎」「水」「風」「岩」と並ぶ、すべての呼吸の源流である「日の呼吸」から派生した基本5大呼吸の一つです。
その最大の特徴は、雷鳴が轟き、稲光が走るかのごとき「速度」にあります。
特に足への集中と筋力強化により、常人離れした高速移動と抜刀術を可能にします。
この雷の呼吸から、元音柱・宇髄天元(うずい てんげん)が使う「音の呼吸」が派生しました。
【基本の型一覧】壱ノ型~陸ノ型までを解説
雷の呼吸には、基本となる6つの型が存在します。
それぞれの特徴を分かりやすくまとめました。
壱ノ型:霹靂一閃(へきれきいっせん)
雷の呼吸の基礎にして奥義ともいえる技。極限まで集中力を高め、神速の居合斬りを放ちます。その速さは、斬られた鬼すら何が起きたか認識できないほどです。
弐ノ型:稲魂(いなだま)
自身を中心に、瞬時に5連撃を繰り出す範囲攻撃。稲妻が四方八方に広がるように見え、複数の敵に対応できます。作中では主に獪岳が使用しました。
参ノ型:聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)
標的の周囲を高速で移動しながら、波状的に無数の斬撃を浴びせる技。「小さな蚊の羽音も、集まれば雷の音になる」ということわざが語源です。
肆ノ型:遠雷(えんらい)
遠方の敵に対し、一瞬で距離を詰めて斬撃を見舞う技。霹靂一閃ほどの速度はありませんが、構えなしで放てる利点があります。
伍ノ型:熱界雷(ねっかいらい)
上昇気流で発生する雷に由来する技。刀を下から上へ斬り上げ、強力な斬撃を浴びせます。
陸ノ型:電轟雷轟(でんごうらいごう)
周囲一帯に、雷のような無数の斬撃を放つ広範囲攻撃。非常に強力で、回避は極めて困難です。
雷の呼吸の使い手①:我妻善逸(あがつま ぜんいつ)
主人公・炭治郎の同期であり、物語の主要人物。
「無理」「死ぬ」が口癖の超が付くほどの臆病者ですが、仲間や守るべき人のためには身を挺す優しさと強さを秘めています。
極度の恐怖で気絶すると、本来の強さを発揮します。
師匠のもとでの修行で、雷の呼吸の壱ノ型「霹靂一閃」しか習得できませんでしたが、その一つの技を極限まで磨き上げ、独自の進化を遂げました。
雷の呼吸の使い手②:獪岳(かいがく)
善逸の兄弟子。才能に溢れ努力家でしたが、他人を見下す傲慢な性格の持ち主でした。
意外にも、壱ノ型だけがどうしても習得できず、そのことに強い劣等感を抱いていました。
後に十二鬼月最強の鬼・黒死牟(こくしぼう)と遭遇し、命乞いの末に鬼へと堕ちてしまいます。
雷の呼吸の使い手③:桑島慈悟郎(くわしま じごろう)
善逸と獪岳の師匠であり、鬼殺隊の隊士を育てる「育手」。
かつては「鳴柱(なりばしら)」として活躍した実力者で、鬼との戦闘で右足を失い引退しました。
逃げ出す善逸を厳しく指導しましたが、それは弟子に生き残ってほしいという深い愛情の裏返しでした。
なぜ?雷の呼吸の「柱」は不在だったのか
物語開始時点で、基本5大呼吸の中で唯一、雷の呼吸の「柱」は存在しませんでした。
これは、元鳴柱・桑島慈悟郎の引退後、柱になるための条件(十二鬼月を倒す等)をクリアした使い手がいなかったためです。
ちなみに、雷の呼吸の柱は「雷柱(かみなりばしら)」ではなく「鳴柱(なりばしら)」と呼ばれます。
最終的に善逸が条件を満たしますが、鬼舞辻無惨の討伐により鬼殺隊が解散したため、彼が鳴柱に就任することはありませんでした。
まとめ:雷の呼吸の基本は6つの型と3人の使い手
雷の呼吸の基本は、速度を極めた6つの型から成り立っています。
その使い手は、対照的ながらも同じ師を持つ善逸と獪岳、そして彼らを見守った師匠・桑島慈悟郎の3人です。
この師弟関係の物語が、雷の呼吸をさらに奥深いものにしています。
我妻善逸の雷の呼吸はなぜ特別か?最強の漆ノ型と感動秘話
雷の呼吸の使い手は複数いますが、なぜ我妻善逸は特別なのでしょうか。
その理由は、彼が壱ノ型しか使えないという弱点を、誰にも真似できない強みへと変えた努力と、彼を支えた人々との絆にあります。
善逸が壱ノ型「霹靂一閃」しか使えない理由
善逸がなぜ壱ノ型しか使えなかったのか、作中で明確な理由は語られていません。
しかし、兄弟子の獪岳が壱ノ型だけを使えなかったことと対になっています。
師匠である桑島は、「一つしかできないのなら、それを極め抜け」と善逸を諭しました。
この言葉を信じ、善逸はただひたすらに霹靂一閃を鍛え上げ、その結果、誰にも到達できない境地へと至るのです。
壱ノ型を極めた善逸の派生技一覧
一つの技を極めた結果、善逸は霹靂一閃から複数の派生技を生み出しました。
霹靂一閃・六連
神速の霹靂一閃を、連続で6回放つ技。一撃必殺の技を連続使用することで、複数の敵への対応や、回避されても追い打ちをかけることが可能になりました。
霹靂一閃・八連
六連をさらに昇華させた技。無限列車での戦いを経て習得し、速度も威力も格段に向上しています。
霹靂一閃・神速
霹靂一閃の速度を極限まで高めた、善逸の切り札。凄まじい威力を誇る反面、脚への負担が尋常ではなく、一度の戦闘で2回しか使えません。
【最強の技】善逸が編み出した漆ノ型「火雷神」を深掘り
そして、善逸が全ての経験と努力の末に編み出した、彼だけのオリジナル技が漆ノ型「火雷神」です。
- 技の特徴: 霹靂一閃の構えから放たれる、雷の竜をまとったかのような超神速の突撃技。その威力と速度は、他の全ての型を凌駕します。
- 誕生の背景: この技は、鬼となり師匠を裏切った兄弟子・獪岳を倒すためだけに編み出されました。6つしか型がなかった雷の呼吸に、善逸が7つ目の型を創造した瞬間は、作中屈指の名シーンです。
壱ノ型しか使えなかった落ちこぼれが、努力の末に新たな型を創造し、最強の一撃を放つ。
この事実に胸が熱くなったファンは少なくありません。
師匠・じいちゃんとの感動的な師弟関係
善逸は、師匠の桑島慈悟郎を「じいちゃん」と呼び、心から慕っていました。
厳しくも愛情深い指導は、孤児だった善逸にとって初めての家族の温もりだったのです。
しかし、弟子である獪岳が鬼になった責任を取り、じいちゃんは介錯なしで切腹するという壮絶な最期を遂げます。
この悲劇が、善逸に兄弟子と対峙する覚悟を決めさせました。
兄弟子・獪岳との宿命の対決
無限城で、善逸はついに鬼となった獪岳と対峙します。
「後継に恵まれなかった爺ちゃんが気の毒でならねぇよ」 普段の彼からは想像もつかない怒りと覚悟を胸に、善逸は初めて気絶することなく鬼と戦います。
そして、自らが編み出した漆ノ型「火雷神」で、因縁の兄弟子を打ち破るのでした。
ファンが選ぶ!我妻善逸の心を打つ名言集
臆病な善逸ですが、彼の言葉には優しさと強い芯が通っています。
- 「炭治郎…俺、守ったよ…お前がこれ、命より大事なものだって言ってたから」
- 「禰豆子ちゃんは俺が守る」
- 「これは俺の型だよ。俺が考えた俺だけの型。この技でいつかアンタと肩を並べて戦いたかった…」
これらのセリフは、彼の成長と人間性を象徴しています。
まとめ:善逸の努力が生んだ最強の雷の呼吸
我妻善逸の雷の呼吸は、単なる技の継承ではありません。
一つのことを諦めずに極め抜く「努力」、師匠への「感謝」、そして兄弟子との「因縁」、そのすべてが合わさって生まれた、彼だけの特別なものです。
だからこそ、多くのファンの心を掴んで離さないのでしょう。
よくある質問
- 雷の呼吸の「鳴柱」とは何ですか?なぜ「雷柱」じゃないの?
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「鳴柱(なりばしら)」は雷の呼吸を極めた柱の正式名称です。理由は作中で明言されていませんが、「雷」そのものよりも、それが轟く「音」や「現象」に着目した呼び名だと考えられています。
- 雷の呼吸の技は全部でいくつありますか?
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基本の型が「壱ノ型」から「陸ノ型」までの6つです。これに加え、我妻善逸が独自に編み出した「漆ノ型・火雷神」が存在するため、合計で7つの型があると解釈できます。
- 善逸以外に全種類の型を使えるキャラはいますか?
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作中では、雷の呼吸の全型を使えた人物は明確には描かれていません。元鳴柱である師匠の桑島慈悟郎は使えた可能性が高いですが、断定はできません。善逸は壱ノ型(と派生技)、獪岳は壱ノ型以外を使えました。
- 雷の呼吸を英語で言うとどうなりますか?
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公式な英語翻訳では「Thunder Breathing」と訳されています。また、代表的な技である「霹靂一閃」は「Thunderclap and Flash」と表現されており、その力強さが伝わるネーミングになっています。